土と人魚屋

人魚屋はとりこになりました。

陶芸教室で出会った 土と火です。

初めて出会った土は おしゃべりをするように 

人魚屋の手のひらをくすぐり

火は 大昔からの 知り合いのようでした。


人魚屋は すぐに

土と火の不思議をもっと沢山知りたくなります。

楽しくて走り出し もう止められません。

教室を飛び出し

陶工  陶芸職人  

と それぞれの方の門をたたきました。


土にロクロに 火に夢中で

仕事場でロクロを廻し 

夜 家に帰ってからも 

ガレージでロクロに向かいました。



春が何度も通り過ぎて 

いつか 土のおしゃべりは 

人魚屋の たなごごろで 囁きます。


「もっと 遊ぼう」

「もっと 遊ぼう」



そして 火は その 声を煽るようです。

でも 仕事場で つくるものは いつも決まっていて

それも 殆どが 分業でした。



人魚屋は 心に決めます。

もっと 自由に土と遊ぼう。

自分の窯から 人魚屋 ワールドを生み出そう。

人魚屋は また走り出します。